お味噌汁

 

 

 

別れた今でもまだ彼へ抱いていたものは好意ではなく依存だと主張し続けているけれど、もしかしたらちゃんと好きだったのかもしれない。

付き合っていた頃に何度も認めようと試みても駄目で、やっと少し素直になれそうな時にあまりにも突然に別れを告げられた。

今更認められてももう、報われることのないぶつけようのない想い。

 

ずっと、何を考えているか分からない人だったし嘘ばかりつかれていたから彼が別れを選んだのもほんとに理由もなくだったのか何か他に理由があったのか分からないしもし後者ならばと思う心は捨てられないけど、どうあれ彼がわたしを傷つけた事実に変わりはないんだからもう関わるべきではないんだ。

 

それに今のわたしで彼にまた連絡をして関わりを持ったとして、お互いによくない。堕ちて行くだけ。

未熟な彼と余裕のないわたしが築ける関係なんて誰にでも簡単に想像がつく、幸せは待ってない。

 

 

ここから先はただ思いのままにいわゆる未練ってやつをたらたらと語らせてもらうことにする___

 

前の日に一緒に映画を見ながら何気なくわたしが「お味噌汁飲みたい」と言ったら次の日お味噌汁の具をカゴにいれていたから「お味噌汁作ってくれるの?」と聞いたら「昨日食べたいって言ってたでしょ」と言って作ってくれたお味噌汁、

味噌しか入ってないシンプルなものを一緒に百均で選んだおわんで飲んだ。すごく美味しかった。

 

スーパーのカートで小学生がよくやるように遊ぶような無邪気なとこ、そんなんだからかまだ子供な寝顔、ナゲットしか入ってないマックの袋すら持ってくれたり。

 

おでこをくっつけて両手を繋いでいくつもした確認、そしてわたしからした告白。

付き合おうっていうか付き合って欲しいってしてくれた返事、それならわたしから告白をされるのを待ってるなんてずるいこと言わないでよね。

 

付き合うならもうこういうことしないでと、誰かにあんなにしっかり左腕を見せたことはなかった。

「やっぱりわたしがこういうことしたら悲しい?」と聞いたら「悲しいし、悔しい」って言ってくれたね。

悔しいと言われたのは初めてだったよ。

 

「自分で死ねないから殺して欲しい」と頼んだら出かけに連れて行ってくれたね。

何か言葉をかけることはなくただ色んな景色を見せてくれた、あのあなたにほんとに救われたんだわたし。

 

見知らぬ遠く離れた土地で一文無しになって酔って垂れた弱音に一晩中付き合ってくれたね。

後日笑って話すわたしに「その○○の方が好きだよ」って。

その言葉がさ、すごく嬉しかったんだ。

 

どれだけ遠回りしても時間がかかっても絶対に夢叶えてね。

陰ながらだけどたぶん一番、本気で、応援してるよ。

 

あといつか、ありのままの君を見せれる人に出会ってね。

そして必ず幸せになって。

 

出会ってくれて付き合ってくれてありがとう。

短い間にしては濃い時間を一緒に過ごしてくれて、確かに幸せもあった恋だったよ。

 

___思い出が美化されるとはこういうことなのだろうか。

 

 

 

あなたが好きだと言ってくれた笑顔のわたしで過ごせる日が今より増えたら、いつかまたお味噌汁作って欲しいな。

同じ顔

 

 

 

物心ついた頃からみんなと同じようにすることがなんだか息苦しかった。小学生の時に弟が生まれて自分はいらない存在なんだと思った。中学生の時に嘘で塗り固められた家庭が壊れて、自己否定の思いから死にたいという気持ちに変わった。成人をしたあとに自殺を初めて試みた。

 

もうずっと言うならばわたしは心を病んでる。そんな心と生きてきた中にそれ1つとって自殺しても理解してもらえるんじゃないかという出来事がいくつかあった。

 

わたしはわたしで人は人だから比べるなんて間違っているのは分かっているし悲劇のヒロインぶるなと思うかもしれないけど、ちょっとやそっと何かあったくらいで同じような顔をしないで欲しい。

 

という考えに添って極端なことを言えばわたしだって戦争のない国に生まれただけ恵まれているとなるんだから、やっぱり比べるなんて間違ってるの。でも許せないのも本音で、だからこう人って、わたしって生きづらい。